糖尿病は、血液の中のブドウ糖(グルコース)の濃度(血糖値)が高い状態が続く病気です(高血糖)。放っておくと、さまざまな臓器に合併症が起こる危険性が高くなります。その名前から糖尿病とは、「尿に糖が出る病気」と思われていることがありますが、本当に問題なのは血糖値が高いことです。
私たちは、毎日の食事で、さまざまな栄養素を体の中にとり入れています。このうち、米やパンなどに多く含まれる糖質(炭水化物)は、小腸でブドウ糖に分解されて、血液の中に吸収されます。また、タンパク質や脂肪などの栄養分も分解されて、血液中の血糖値を高めます。
この血糖値は、通常は体の中の「インスリン」というホルモンの作用で、ほぼ一定の値に保たれています)。この血糖を調節する仕組みがうまく働かなくなり、血糖値が高い状態が続くようになってしまうのが糖尿病です。
最初のうちはほとんど症状を感じることはありません。しかし、血糖値の高い状態が続くと、のどの渇き、疲労感、多尿・頻尿などの症状が現れるようになったり、次第に全身の血管や神経が傷ついて、全身のさまざまな臓器に影響が起こってきます。